「ハロー ハロー ハロー ♪」
38年ぶりに花園神社にフィル・オクスの「No More Songs」
が流れた。唐組公演「おちょこの傘持つメリーポピンズ」
のオープニング・・・38年前と全く変わらない。
元々思い入れのある作品。
芝居もよかった。久保井研演じる「おちょこ」が適役だった。
そしてラストシーン。雨音まで効果音に変えて
感動的な情景を演出していた。
紅テント内の客層は6割強が若者、そして残りの4割弱が
昔、唐さんの芝居に触れていた客層。唐組が多くの新しい客層を
取り込んでいること驚く。
もちろん唐さんの戯曲の力も大きいが、それ以上に
演出久保井研の腕が光っている。
唐さんの戯曲の舞台は1960年代後半~70年代、バブル期のはるか以前、
学生運動の色香が漂う時代だ。その芝居が現代の若者を魅了する。
以前、学生時代(80年代)に観た小劇場の名作の再演を観たことがある。
台詞の古さ、言い回しの古さが非常に鼻について、楽しむどころでは
なかった。(昔の作品をそのまま現在に持ってきても通用しない)
それに比べ唐組は、唐さんの荒々しい戯曲に、久保井研が繊細さと
優しさというエッセンスを絶妙に味付けして、全く色褪せない作品に
仕上げている。これが若者にも理解される理由だろうと私は考える。
最近の唐組は「吸血姫」「黄金バット」「ジャガーの眼」「ビニールの城」
と、いわゆる唐さんの大ネタを続けて上演している。
唐さんが体調を壊している今も、唐さんの芝居を多くの人が
楽しめるのは、久保井研のお陰だ。
シンスケありがとう!
フィル・コッチ「No More Songs」
この曲を聞いたのも38年ぶりだった。