前々から出演は決定していたのだが、タイミングがいいのか悪いのか
ちょうど師匠「三遊亭円丈」の訃報にあたってしまった。
まあ白鳥さんだから、悲しさは微塵もなかったが・・・(笑)
その分、高田先生がその偉業を語った。
「1980年代の漫才ブームの折は、小朝(80年真打)、円丈(81年真打)の
二人が落語を代表して立ち向かった。しかし落語は冬の時代へ。
その間、円丈は革命的な新作落語を創り続けた。」
「円丈の新作落語に憧れて入門した世代が、2000年代に真打になっていく。
春風亭昇太、三遊亭白鳥、柳家喬太郎・・彼らは自他ともに認める
円丈チルドレン。20年間の冬の時代を経て、この世代が落語人気を復活させた。
その種を撒いたのが円丈さんなんだよ。」
2019年の「謝楽祭(しゃらくさい)」にて。
私にとって円丈師匠のイメージは、漫才ブームの頃の
奇天烈でぶっ飛んだ存在感。有名なキンチョールのCMもこの頃だ。
この頃のツービート、B&B、紳助竜介をはじめとする漫才陣に比べると
落語陣(小朝、円丈)は年齢的にもとっつきにくかった。
その後の天才的な新作落語量産時代(80年代後半~90年代)は、
テレビの露出も少なかったので、私は体験していない。
時を経て、落語を聞き始めると創作落語に吸い寄せられた。
メチャメチャ面白い。自分の中の落語観がガラガラと崩れていった。
新作落語には、青春時代にのめり込んだ小劇場芝居と同じ匂いが漂う。
特に志の輔、昇太、喬太郎、白鳥、彦いち・・・の新作落語が好きだ。
このうち志の輔さん以外の4人は円丈さんのDNAを受け継ぐ円丈チルドレン。
後追いで円丈師匠の偉大さを思い知ることになる。
ブログをふり返ると一度だけ円丈師匠の落語を聞いている。
劇団四季出身の落語家「三遊亭究斗」さんの真打披露興行で
円丈師匠の口上と落語を聞いていた。
2019年の謝楽祭(しゃらくさい:落語協会のファン感謝デーのようなもの)で
出店で著書を売る円丈師匠を見つけた。あまりやる気はなさそうだった(笑)
愛想がいいわけでもなく、神経質そうだったので声が書けずらかったが、
なんせ新作落語のレジェンドである。ちくま文庫「師匠御乱心」を購入し
サインをしてもらった。その間、円丈師匠はずっと無言。
勇気振り絞り
「師匠。写真を撮ってもよろしいでしょうか?」
と聞くと、ゆっくりと口元をすぼめて笑顔風に・・・
そしてゆっくりとVサインを創ってくれた。(これが添付の写真)
嬉しかったな~。
合掌。