立川志の輔さんの三番弟子で昨年真打に昇進した
「立川志の春」さんに注目してる。
その輝かしい経歴※ が先行して注目されていたが、
ここへきて実力も伴ってきている。
落語はもちろん上手いのだが、それよりなにより
スケールの大きさを感じさせてくれる噺家だ。
これは天性のもので、努力で身につけられるものではない。
志の春さんの落語を聴きたい・・・
と探し回った結果辿り着いたのが
「~三山ひろし落語はじめました~ 志の春、とさ春二人会」
「三山家とさ春」とは、
2020年に三山ひろし座長公演「明治座 阪田三吉物語」(原案:立川志の春。
志の春さん自身も役者として出演))の接点が縁で、落語に興味を持ち
自身も落語をやるようになった三山ひろし。
今回は師匠の志の春さんとの二人会(落語のみ!歌、芝居なし!)だった。
感想を一言でいうと
「三山ひろしの落語はなかなか上手かった。」
さすが演歌歌手。場数を踏んでいるだけのことはある。
そして常連さん(?)のファンの温かい声援に包まれて、中級クラスの演目
「厩火事(うまやかじ)」を演じきった。
志の春さんは二席。
おそらく観客の9割は,三山ひろしの追っかけ(?)=熱烈なファン。
大部分が落語初体験のようだ。志の春さんは、まず「初天神」で
落語に慣れさせ場を温め、とさ春(三山ひろし)にバトンを渡す。
三山さんの後は、落語初心者に十分配慮した説明を加えつつ
「井戸の茶碗」でプロとしての差を見せつけた。さすがだった。
そして最後の対談では、三山ひろしをしっかり立てた。
これでは、三山ひろしファンが志の春贔屓にならないわけがない。
驚いたのは演歌歌手ファンという人種。
・年齢層は高年齢(女性が9割)。孫を可愛がるようだ。
・お揃いの法被(はっぴ)を着ている。
・上演中の撮影、録音お構いなし(無法地帯)
・とにかく拍手。褒めるときは拍手。
・旺盛な購買意欲。グッズ売り場は人盛り。
・・・正直、面食らった。
落語中もここで拍手か・・・? 思うような情景が多かった。
でもこれが意外と悪くない。三山ひろしは本当に「いいお客さん」に
支えられているんだな~と実感。
会場で販売していた志の春さん手拭いは完売。
この人たちが志の春さんのファンになってくれればいいな。
亀有って、ほぼ初めて足を踏み入れた。(昔、仕事で行ったかも?)
「こちら亀有公園前派出所」の銅像がいっぱいあった。
誰も写真を撮っていなかったが、勇気を出して撮影。
そうしたら後に続く人が三人・・・みんな恥ずかしかったんだ。
※立川志の春
1976年生まれ。帰国子女。渋谷幕張中・高卒、イェール大学卒。三井物産入社。
26歳の時に入門。弟は劇団四季出身のミュージカル俳優。