Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

立川志の春 真打昇進披露落語会

志の輔師匠の三番弟子「立川志の春」さんの

真打昇進披露落語会。12/3 有楽町朝日ホール

 

志の春さんは2020年4月に真打に昇進。

さあ全国でお披露目興行という段にコロナ禍が始まり

真打披露が出来ないでいた。

ここでようやく2年間待った真打披露落語会となった。

 

 

 

帰国子女で、世界最高峰の大学の一つイェール大学卒

三井物産勤務というエリートコースを投げうって志の輔師に入門。

・・・という経歴ばかりが一人歩きしている感がある

志の春さんだが。志の輔さんに鍛えられた落語の腕もなかなか。

 

立川流の重鎮「龍志」さんが口上で褒めていたが

古典もしっかり出来、師匠志の輔ゆずりの創作落語(新作)

と両刀使い。そして何より大物感という才能を兼ね備えている。

長年、立川流と懇意にしている友人のTさんも、

数年前(二つ目時代)に「志の春さんはもしかすると大バケ

するかもしれない。そんな予感がしてきた」と言っていた。

 

 

 

「志の春」さんの落語はスケールが大きい(身体も大きい)。

創作落語の切り口も鋭く面白い。古典もできる・・・

将来がかなり期待される志の春さんは、今後も目が離せない。

 

ただ落語家さんは上手いから必ず売れるとは限らない。

師匠の志の輔さんはじめ、志らく、一之輔など、現在チケットの取れない

落語家はしっかりとセルフプロデュースをして、高座以外のあらゆる媒体

(テレビ、ラジオ、出版物、SNSYouTubeほか)で積極的に

売り込み成功した者たちだ。

 

志の輔さんは、師匠談志から「自分で売れてこい」と言われ

落語会出演の一方で、ラジオのレポーターからメインMC、テレビも

レポーターからCM、メインMC「ためしてガッテン」という

道を歩んできた。志の春さんも積極的に売り込んで、落語マニア内での

人気者にとどまらず・・・「お茶の間」にどんどん露出して欲しい。

 

「お茶の間」のライバルは「笑点」だけではない、

「吉本興行」「ジャニーズ事務所」が大きく立ちはだかる。

 

 

 

(演目)

・「看板のピン」(立川晴の輔

・「露出さん」 (春風亭百栄

・「素人義大夫」(立川龍志

・「親の顔」  (立川志の輔

・ 口 上   (晴の輔、百栄、龍志、志の輔三山ひろし

・「モノマネ」 (江戸屋小猫)

・「井戸の茶碗」(立川志の春)

 

今回もう一つ収穫があった。

春風亭百栄さんだ。立川流以外で唯一の落語家さん。

9年間アメリカで働いていた。猫好きという共通点で

今回の参加となったようだ。

ソフトな語り口と主人公が露出狂というブッとんだ

新作落語「露出さん」(昇進披露の祝いの席でこれやるか(笑))。

 

百栄さんの新作は、SWA(昇太、白鳥、喬太郎、彦いち)と

同じ匂いがする。私の大好物だ。一緒に行ったTさんに

百栄さんのCDを借りる約束をした。

 

 

 

最後に志の輔さんと志の春さんの二人が登場し対談が。

志の輔さんは、バイリンガル、グローバルという武器を

思いっきり生かして、新たな落語家像を作ってもらいたい

というようなことを言っていた。それは形は違うが、自分が歩んできた

道であり、今も目指している道だから。

 

2年間待っただけのことはある。いい真打披露公演だった。