Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

破船  吉村昭

東日本大震災津波を契機に吉村昭の作品が脚光を浴びている。

大手書店では、平積みでブックフェアが開催されており、

文藝春秋増刊号も発売された。


文藝春秋増刊 吉村昭が伝えたかったこと 2011年 09月号 [雑誌]  文藝春秋増刊 吉村昭が伝えたかったこと 2011年 09月号 [雑誌]


そんな分けで、高校から大学にかけて読みつくした吉村昭作品を再び読んでいる。


三陸海岸大津波 (文春文庫)

新装版 関東大震災 (文春文庫)

陸奥爆沈 (新潮文庫)

朱の丸御用船 (文春文庫)   


と読み進み、今「破船」を読了した。

衝撃的な結末は、当時と以上に感じた・・・。


この本は、高校時代に友人のHANGPEN(ハンペン)から”あらすじ”を聞き、

その衝撃的な内容に驚いて、すぐに本を購入して読んだのを憶えている。


破船 (新潮文庫)

破船 (新潮文庫)


僻地の貧しい漁村に伝わる、”お船さま”。

それは嵐の夜、浜で火を焚いて、近づく船を座礁させ、

積み荷を奪い取るという、サバイバルの為の過酷な風習だった。


ある冬、三百石積みの船が沖合で座礁し”お船さま”となった。

村じゅうは、積み荷の米の収奪に沸き返った。

翌年、二冬続きの”お船さま”の訪れに、村じゅうが沸いた。

しかし、その船に積み荷はなく、船員全員が赤い着物、帯、足袋を

身に着け死に絶えていた。

そして柱には赤い猿のお面がかけてあった。


村人達は、風習にのっとり骸から赤い着物を奪い分配したが、

その直後から恐ろしい出来事が村じゅうを襲った。

そして悲劇的な結末が・・・。


舞台は江戸時代の能登半島辺りの貧しい漁村らしい