Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

つかこうへいの70年代展

昨日、土曜出勤の帰り道に早稲田大学演劇博物館に

つかこうへいの70年代展」を見てきた。


 早稲田大学坪内逍遥博士記念演劇博物館



展示場所は、3階現代コーナーとあるが、簡単に言うと廊下だった・・・。

タイトルどおり1972年から1982年の「蒲田行進曲」での解散公演までが

展示内容だった。(これは嬉しい)

つかこうへい劇団は1989年(平成元年)に「今日子」で活動再開したが、

残念ながら平成の舞台は、以前受けた衝撃には、遠く及ばない感があった・・・



展示品は脚本、ポスター、舞台写真、当時の新聞・雑誌、等々の貴重なものばかり。

特筆すべきは、当時の映像をモニターで上映していること!


上映内容は下記の通り、(上演時間は、各々3分〜21分)

  1.戦争で死ねなかったお父さんのために (1977年 NHK 若い広場)

  2.広島に原爆を落とす日 稽古風景 (1979年)

  3.いつも心に太陽を (1980年 紀伊國屋ホール

  4.東芸劇場 初級革命講座 飛龍伝 稽古風景 

    (1980年 NHKアーカイブス「ルポルタージュにっぽん直木賞の決まる日」)


圧巻は「戦争で死ねなかったお父さんのために」(上映時間 約20分)だった。

NHKの「若い広場」という「YOU」の前身的な番組で、スタジオ内に小劇場を再現し、

迫真のカメラワークで、つか芝居を再現している。


戦争で死ねなかったお父さんのために (角川文庫 (5919))



映像は良くない。 しかし20分間釘付けになった。

これが30年間の記憶の片隅に残っていた「つか芝居」だと実感した。

そこには23歳の風間杜夫平田満根岸季衣が、三浦洋一が、加藤健一が”つか芝居”を演じている。


白系ロシアの混血ディープ山崎を演じる風間杜夫の鬼気迫る長台詞。

加藤健一の笑わせつつも骨太なキレのある演技。

そしてパッヘルベルのカノンにのせ、平田満が演じる主人公が叫ぶエンディング


「而して大日本帝国は敗北せず。さあ船出だ。今こそお前達の弔い合戦だ。・・・ 」