Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

談志歳時記 吉川潮

家元”立川談志”を書いた本に外れなし。

まして落語立川流顧問であり、芸人小説の第一人者にして、

立川談志が最も頼りにした「吉川潮」の著作であれば当然のこと。


談志歳時記―名月のような落語家がいた

談志歳時記―名月のような落語家がいた


著者と家元との半世紀を振り返るメモワール。

家元はいかに吉川顧問を頼り、吉川は家元を慕っていたかが

滲み出ていて、読んでいる小生も嬉しく思う。


最終章は、最後の5年間を著した立川流顧問日記「談志日月抄」。

家元が亡くなった当日(平成23年11月21日)、毒蝮三太夫から様子が変だから

会って様子を聞きたいと左談次より電話があったところで文章は終わっている。


読んでいてショックな事実があった。

小生が唯一生で立川談志を見た平成22年2月21日の

東京ボーイズ・談志作品集」(東京芸術劇場小ホール)の裏話。

中入りに楽屋を見舞い、「落語をやるんですか?」と尋ねたら

(談志)「今日はいいだろう」とのこと。

客席を見ると落語を聞きに来ている客ではないようなので大正解。

・・・落語を聞きに来ている客ではなかったか・・・・・   ショック。


始めて読む「吉川潮」の文章は非常に読みやすい。

次は、「人生、成り行き」、「待ってました」(ともに新潮社)を読むことにしよう。


人生、成り行き―談志一代記 (新潮文庫)

人生、成り行き―談志一代記 (新潮文庫)

待ってました!―花形落語家、たっぷり語る

待ってました!―花形落語家、たっぷり語る