昭和史、特に戦前に興味があった小生は、学生時代に関連書をむさぼり読んだ。
特に、王道楽土”満州”、魔都”上海”には興味が沸いた。
もちろん歴史上の評価云々はさておきのことでである。
その時、驚いたのは代ゼミの日本史講義で聞いている
歴史上の当事者がまだ実在(当時)していたことだ。
一人は”張作霖”の長男で 易幟、西安事件の当事者”張学良”(2001年死亡)。
一人はラストエンペラー”愛新覚羅溥儀”の実弟”愛新覚羅溥傑”(1994年死亡)
そしてもう一人が李香蘭だった。
- 作者: 山口淑子,藤原作弥
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1987/07
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二人が同一人物とは思いもよらなかった。
それはあまりにも激動の人生だったから。
・日本人”山口淑子”として満州に生まれ、父親と親しかった李際春将軍の養子
”李香蘭”という中国名を得る。
・満州映画協会(満映)の中国人専属女優”李香蘭”としてデビュー、主題歌も大ヒットさせ、
日本、中国、満州で大人気となった。本人は日本人であることを告白するつもりだったが、
当時の情勢はそれを許さなかった。
・日本の敗戦後、中華民國政府から売国奴(漢奸)の廉で軍事裁判にかけられ銃殺刑にされるところを
両親のもとから日本の戸籍謄本が届けられ日本人であるということが証明され、
漢奸罪は適用されず、国外追放となった
・帰国後は”山口淑子”の名前で銀幕に復帰、女優業を引退した後はワイドショーの司会者に。
その後参議院議員となり1994年に引退する。
日本と中国。かって二つの国に運命を引き裂かれた歌姫がいた。
このことは決して忘れてはいけない。
合掌。