Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

フジテレビ凋落の全内幕

昨今の視聴率の低迷から、

フジテレビの凋落を論じた書籍、記事が

数多出ている。本書もその類である。

その要因についていろいろ書いてあるが、

唯一、五味一男さんのロジカルな解説

だけは「目から鱗が落ちた」。


フジテレビ凋落の全内幕

フジテレビ凋落の全内幕


五味一男さんは、日本テレビ
「クイズ世界はSHOW byショーバイ!」24時間テレビ
マジカル頭脳パワー」「エンタの神様」など数々の
ヒット番組の企画・演出を手掛けた。


五味さんの論旨は、単純な話ではない。
しかし明快だ。

・視聴率からだけで見た「フジの凋落」というの
 短絡的であり、は誤りだ。


・たしかに「視聴率から見ると、日テレはどうにか
 維持だが、フジは視聴率の低下に歯止めがかからない。
 日テレの躍進ではなく、フジの視聴率低落なのだ。


・番組作りにおける「視聴者のため」と
 「視聴者の立場に立つ」の大きな違い。


・「大衆の潜在的な気持ちを具現化する代弁者」
 と「時代の最先端とオピニオンリーダー」という
 二つの要素の匙加減。


・フジはオピニオンリーダ―的要素が強く、
 日テレは二つの要素の匙加減がうまく根を
 張っている感がある。


・どちらが優れているということではなく、
 常に変化する時代の「トレンド」に
 どちらがマッチするかによる。
 現に80年代、00年代はフジの手法が
 「トレンド」にマッチしていた。


・テレビ愛に溢れた亀山社長の情熱がある限り、
 フジテレビが今まで以上に視聴者に夢を
 与えてくれると信じているし、楽しみにしている。


「視聴率男」の発想術

「視聴率男」の発想術


これを読んで、五味さんの著書を購入した。


なんだかんだ「フジテレビの凋落」を嘆きつつも、

80年代の「楽しくなければテレビじゃない」や

深夜の実験番組帯「JOCX-TV2」で感性を磨かれた

我々世代は”フジテレビ応援団”なんだな〜。