Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

青龍門WEST の想い出

歌舞伎町に出来た「龍乃都飲食街」を知って。

その昔、用賀にあった「青龍門WEST」を思いだした。

青龍門は、台湾夜市の臨場感とパワーを空間と料理で再現する

レストランチェーン。とにかく店内空間がぶっ飛んでいることで有名。

 

その中でも用賀にあった「青龍門WEST」は、バブルの申し子というべき

ド派手な空間演出で、来店者の度肝を抜いていた。(既に閉店)

1990年前後、用賀にある支店に勤務していた私は、何回も通った。

とにかく友人を連れて行っては、その驚く顔を面白がっていた。

 

まさにバブル真っただ中の時代。

今思えば、あの店は幻だったんじゃないか・・・

とさえ感じるほど、摩訶不思議な店だった。

YouTubeに店の映像があったので、幻ではなかった)

 

 

 

記憶を紐解きながら当時の店を思いだしてみる。

用賀仲町通に面した畑の隣にコンクリート打ちっぱなしの

左右対称のいかにもバブリーな建物が建った。

建物には入り口らしい入り口はない。扉らしきものがついてはいるが

それはダミーでそこから入ることはできない。

 

 

 

建物の隙間に、地上げに抵抗している木造家屋が姿をのぞかせている。

木造でゴミ屋敷風のあばら家には「地上げ反対」「絶対に立ち退かない」

等の看板が目立つ。実はこのあばら家が店の入り口だった。

恐らく言われなければ絶対に分からない入り口だ。

 

狭い木戸と植木を掻き分け、あばら家の玄関を開けて中に入る。

中には暗く細い階段が続いている。その階段を少し下りると

行き止まりになっており、SF映画に出てくるような不思議な

装置(土星状の球体にボタンが光る)が胸の高さに設置されている。

 

 

行き止まりの部屋で、この球体装置のボタンを押す。

(確か何かの法則があったような・・・)

するとコンクリートの壁が開き、店内への入り口が出現する。

これでまずはビックリ。

 

店内へ続く階段を下りていくと、突如地下三階の巨大な吹き抜け空間現れる。

レッド、グリーン、ブルーのライトに埋め尽くされた

巨大な地下の吹き抜け空間・・それが青龍門WESTだった。

外観からは全く予想もできない店内に、これまたびっくり。

 

 

鉄製の梯子を下りて、ようやく地下三階のテーブルに辿り着く。

地下3階から地下1階の壁面にはパチンコ台が埋め込まれていて

怪しい光を放っている。これがまた幻想的・・・。

 


座席から天井を見上げる。
丸い天窓がある場所が地上・・・

つまり地上に見える建物はすべて駐車場で、

店は全部地下にあるという構造。

 

 

店内では定期的に光のイベントが繰り広げられる。

照明が真っ暗になり、壁面のパチンコが全体一斉に確変に

突入し、すさまじい音とともに点滅を始める。

パチンコ台の前面は水槽になっており、点滅に合わせて

泡が放出される・・・・まるで竜宮城(古い)

 

トイレにも独特の仕掛けがあった。

・・・不思議な店った。

バブル時代だから作ることが出来た店。

用賀の一等地に空間をぜいたくに使った店舗なんて・・・

二度と作れないだろうな。記憶の中のバブル遺産だ。

 

 

毎回、空間で度肝を抜かれていたので、

料理の味は全く覚えていない。

値段はリーズナブルで、まあまあの味だったような記憶だ。

 

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