Makotsu Garage

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「瀬島龍三」とは何だったのか

不毛地帯」の主人公”壱岐”(TVドラマでは唐沢寿明)の

モデルとされる瀬島龍三の本を読了した。


沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫   沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫


陸軍士官学校、陸軍大学をトップに近い成積で卒業し、陸軍参謀本務作戦課に勤務。

超エリート軍人として太平洋戦争の作成計画を立案した。

終戦後はシベリアへ11年間抑留された。その間、東京裁判ソ連側の証人として出廷。


帰国後は伊藤忠商事に入社し、会長にまで上りつめた。

その間、韓国、インドネシアでの戦後賠償でのビジネス。

次期主力戦闘機をめぐる防衛庁商戦。

はては、政界のフィクサーとして、中曽根政権誕生。日米外交等に暗躍した。

2007年に死去し、太平洋戦争の開戦計画や、シベリヤ抑留での取引説などの

秘密は、ついに墓場まで持って行ってしまった。


この妖怪のような人物の謎の源泉は、

陸軍大学出の日本国内の超エリート人材(参謀)二十数人からなる

陸軍参謀本部作戦課という組織・教育にあったようだ。


参謀本部と陸軍大学校 (講談社現代新書)  参謀本部と陸軍大学校 (講談社現代新書)


今の時代に例えると、さしずめ官僚のトップ、事務次官あたりになるのであろうか。