1980年代から1990年代初頭のリブロ池袋店(書店)に
「新しい知のパラダイム」を求めて多くの読書人が集った。
その中心は、今日では伝説となっている「今泉棚」。
「今泉棚」の誕生から消滅までが書籍になった。
「今泉棚」とリブロの時代―出版人に聞く〈1〉 (出版人に聞く 1)
私が出版業界に務めだしたのが、80年代後半。
ましてやサブカル系、アングラ系嗜好だったので、
残念ながら「今泉棚」のイメージは薄く、シンクロ度は高くない。
しかし、私が書店営業をやっている90年代前半も「今泉棚とその時代」
の流れの書籍がよく売れていたので、商品補充の経験値として体に刻まれている。
まさに「現代知の海図」。
わかりたいあなたのための現代思想・入門―サルトルからデリダ、ドゥルーズまで、知の最前線の完全見取図! (別冊宝島 (44))
ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環
アンチ・オイディプス
チベットのモーツァルト
「甘え」の構造
愛するということ 新訳版
生きがいについて (神谷美恵子コレクション)
さすがに「構造と力」浅田彰(勁草書房)は先輩の代の出来ごとだった。
あと冬樹社の「GS たのしい知識」(編輯人は「浅田彰+伊藤俊治+四方田犬彦」)が
まさにニューアカデミズムブームの真っ最中な感じでカッコよかった。
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/1959/GS/gs.htm
「今泉棚」を生みだし、
「おいしい生活」「PARCO」「六本木WAVE」「アール・ヴィヴァン」「パルコ出版」「リブロポート」
「ビックリハウス」「トレヴィル」「シネセゾン」「J-WAVE」「LOFT」などで
我々が心を揺さぶった、セゾン文化戦略とは何だったんだろう?
そしてどこへ消えてしまったのだろうか?