最初の放送は12月4日の「旅順総攻撃」から。
旅順、二〇三高地となると児玉源太郎、乃木希典、伊地知幸介の物語となる。
文藝春秋増刊 「坂の上の雲」日本人の勇気 2011年 12月号 [雑誌]
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今回の配役は児玉源太郎が高橋英樹、乃木希典が柄本明、そして伊地知が村田雄浩。
エモっちゃんの枯れた乃木がシブイ。
最近のエモっちゃんは、表情で見せる軍人役が多い。
映画「聯合艦隊司令長官山本五十六」でも海軍大臣米内光政を演じている。
さすがベテランの桃太郎侍だ。
そして予想通り!
大山巌の米倉斉加年が司馬遼太郎の描く”薩摩型大将”そのものを演じている。
薩摩型リーダーは、有能な部下を見つけ、権限を委譲しすべてを任すが、
いざとなったら自分が前面に出て一切の責任をとる。
大山も「勝ち戦は児玉さんに任せる。ただし負け戦になったら私が指揮をとる」として、
児玉が立案し裁可を求める作戦への口出しは一切しなかったそうだ。
従兄弟の西郷隆盛に似て大柄で肥満。
若い頃の俊異を内にしまい、自身に茫洋たる風格を身に付けるよう心掛けた。
こんな逸話もある。
”沙河会戦で、苦戦を経験し総司令部の雰囲気が殺気立ったとき、
昼寝から起きて来た大山の「児玉さん、今日もどこかで戦(ゆっさ)がごわすか」
の惚けた一言で、部屋の空気がたちまち明るくなり、皆が冷静さを取り戻した”
こんな上司に仕えられれば・・・
いや、こうゆう上司になることを範とすべきなのか・・・
- 作者: 三戸岡道夫
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「坂の上の雲」に魅かれる要素として、行動原理の合理性がある。
太平洋戦争時の政府・軍部や昨今の政治状況を見ると
”皆そう思っていたが、そう判断できない状況(空気)があった”
などという大変”日本的”な行動原理が支配している。
坂の上の雲の主人公たちは、合理的に思考し、その行動に一命を賭して行動た。
同じ日本人なのに・・・。
「坂の上の雲」のオープニングにその答えがすべてあると思う。
渡辺謙のナレーションがいい!
この痛々しいばかりの昂揚が分からなければ、この段階の歴史は分からない