Makotsu Garage

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「55のテーゼ」 (2025年の出版業界)

「2013年 出版流通の展望と課題」という勉強会に参加する。

講師は文化通信社の取締役編集長”星野渉”さん。

25年にわたり出版業界を取材する立場から、取次の現状と課題を語っていただいた。

なんとなく小生の持論も裏付けられた講演内容であった。


白書出版産業 2010

白書出版産業 2010


いくつかのキーワードが印象に残った。

 ・業界は結果であって目的ではない。

 ・まずは自分が生き残ることが大切。

 ・取次の自己改革のスピードで、間に合うのか?


そして、ドイツ図書流通連盟の「55のテーゼ」(2025年の出版業界)  

これは当事者(出版社、取次、書店)が電子出版の影響を受ける以前の段階において、

電子出版の拡大を前提として、書籍業界全体の規模や流れへの影響および

当事者各々のとるべき対策をあげたもの。


この凄いところは、当事者達が作成していることと、その作成時期。

テーゼの内容を現時点で語ることは、容易であり誰にでも可能だが、

早い段階で電子出版への危機意識が共有できている点は、畏れ入ってしまった。


書棚と平台―出版流通というメディア

書棚と平台―出版流通というメディア


本日参加した若き取次人たち(約70名)は、非常に高い危機意識を有してるに違いない。

問題は、取次の自己改革のスピードが間に合うのか? 

言いかえれば、間に合わせられるか? ということにある。

 
間に合うか、間に合わないかの答えは

読者のみが知る・・・


14年後のドイツ出版業界を予測 「55のテーゼ」は刺激的で興味津々