Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

京都に残った公家たち 華族の近代

朝日新聞の書評で紹介された書籍。
神保町ブックフェスティバルの際に購入した。


明治以降、旧大名、公家たちは新たな階級”華族”として
東京に活躍の場を移していった。一方で、明治以降も京都に残り続けた

公家華族がいたことはほとんど知られていない。

本書は、そんな忘れられた歴史”京都の公家華族”にスポットをあてた。



そこには”公家”という雅、風流といった印象とは異なる世界があった。

困窮、負債、破産の経済的問題。そして不祥事、スキャンダル、犯罪。

特に、奈良・興福寺の僧職にあった公家の子弟出身の僧侶のうち、

明治維新後に還俗して公家社会に復帰し、華族となった奈良華族の困窮は、

ひどく、貧困で華族としての体面を保つことができず、

爵位を返上する者も現われていた。


本書は、華族を題材とする歴史書なのだが、

特権階級の没落、スキャンダルというのはドラスティックであり、

今も昔も庶民にとっては蜜の味かもしれない・・・。