朝日新聞の書評で紹介された書籍。
神保町ブックフェスティバルの際に購入した。
明治以降、旧大名、公家たちは新たな階級”華族”として
東京に活躍の場を移していった。一方で、明治以降も京都に残り続けた
公家華族がいたことはほとんど知られていない。
本書は、そんな忘れられた歴史”京都の公家華族”にスポットをあてた。
京都に残った公家たち: 華族の近代 (歴史文化ライブラリー)
- 作者: 刑部芳則
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2014/08/20
- メディア: 単行本
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そこには”公家”という雅、風流といった印象とは異なる世界があった。
困窮、負債、破産の経済的問題。そして不祥事、スキャンダル、犯罪。
特に、奈良・興福寺の僧職にあった公家の子弟出身の僧侶のうち、
明治維新後に還俗して公家社会に復帰し、華族となった奈良華族の困窮は、
ひどく、貧困で華族としての体面を保つことができず、
爵位を返上する者も現われていた。
特権階級の没落、スキャンダルというのはドラスティックであり、
今も昔も庶民にとっては蜜の味かもしれない・・・。