Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

名著 「ゲームの大学」

これは名著なんですよ。

任天堂岩田社長の訃報を聞き、書棚からひっぱり出した。

1996年3月初版。メディアファクトリー発行

著者は平林久和赤尾晃一

A5判上製 388頁の大作である。


もともとは日刊工業新聞に1994年から日刊で連載されたもので

「ゲームの世界」をアカデミックに解き明かした

日本で最初の書籍であろう。

内容は1996年当時の小生の脳味噌を存分に覚醒してくれた。


ゲームの大学 (じゅげむBOOKS)

ゲームの大学 (じゅげむBOOKS)


コンテンツは、今見返しても魅力的だ。

 ・産業学概論

 ・ビジネスモデル論

 ・ゲームデザイン

 ・ゲームの未来学 −ソフト編−

 ・ゲームの未来学 −産業編ー


1996年はWindows95発売の翌年、インターネットが

出始めた時期でもあり、急激に変わり始めた時期でもある。

 ・「父なるマシンNINTENDO64のゆくえ」

 ・「ウィンドウズ95はゲーム機を駆逐するのか?」

などどいう懐かしい記事も見える。



本書の中で一番食い入るように読んだのが

任天堂山内溥社長講演抄録」

この人はすげえな。まさにカリスマ経営者だ。

後継者はどうすんだろう・・・? などと思ったのを記憶する。


山内溥は「株式会社HAL研究所」の経営危機を立て直した

岩田聡の経営手腕を買い、2000年任天堂に招き入れた。そして

2002年、42歳入社2年目の岩田を大抜擢し自分の後継社長に就けた。


その後の岩田社長の活躍はご存知の通り。

ニンテンドーDS」「Wii」の投入により標榜していた

”ゲーム人口の拡大”を実現した。

2015年3月にはディー・エヌ・エーとの業務・資本提携を実現させ、

スマートデバイス向けのサービスを共同開発することを発表したが、

それが最後の仕事となった。


岩田社長は最期まで「ハートはゲーマーです」だった。 合掌。