「ポケモンGO」の画期的なところは
GPS機能、グーグルマップとガメラにより
街中をリアルなゲーム空間に変えてしまう
ところにある。これってものすごく画期的だ。
歩きスマホの危険性ばかり言われているが、
マップと物語(ゲーム)を結びつける方法
の可能性は無限大であろう。
「ポケモンGO」で思い出したのは
1975年に寺山修司率いる劇団天井桟敷が
杉並区阿佐ヶ谷の町で演じた
30時間市街劇「ノック」。
寺山修司曰く、「市街劇」の概念は
「それは、単に『市街』を私たちの演劇のための
舞台とする、ということではなく、市街の日常の
現実原則を、丸ごと演劇として抱えこむということ。」
「市街劇ノック」はチケットは発売されず、
そのかわりに一枚の「地図」が販売される。
観客はこの「地図」を手に街を歩きながら、
演劇を探して回ることになる。
「地図」には、この演劇が同時多発的に引き起こす
18のイヴェントの工作地点が記されているのみである。
これらの演劇のいくつかのパートが住民との間に摩擦を生み、
阿佐ヶ谷住民の抗議で警察が介入、新聞の社会面を賑わす事となる。
ポケモンと天井桟敷を結びつけるのには
少々無理があるかもしれないが、寺山修司が
生きておればこのゲームのプラットフォームに
飛びつくと思う。