Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

フランス解放戦争史

この八王子古本まつりで200円で購入した。

あまり触れる機会のないフランス現代史を軍事という視点で

捉えた書籍。原書房の本だけに内容は折り紙付きだ。

 

特に興味深かったのは、映画「ジャッカルの日」でしか知らない

アルジェリア戦争の実態と、ドゴール大統領によるフランスの

NATO軍事機構からの脱退(1966年)の過程が分かったことが

この本の収穫だ。

たった200円の知的好奇心が満たされた。

 

 

植民地帝国といえばイギリスだが。

この本でフランスの植民地経営の一端を垣間見た。

フランスにとって農産物、鉱物資源、労働力が生命線となっている

アルジェリアは、植民地ではなく海外県として本国に編入され、

フランス国籍が与えられ、フランス議会の議席も与えられた。

 

日本に例えれば、朝鮮や台湾、満州に県にしてしまうようなもので、

かなり強引な手法だ。一見平等そうに見えるが、実態は一部の

フランス移民が富の大部分を握っていた。

 

映画「ジャッカルの日」では、アルジェリア独立反対派が

「フランスのアルジェリア」を叫び、独立やむなしを貫く

ドゴール大統領の暗殺を企てる。これらはすべて事実だった。

 

そういえば、ニューカレドニアは今もフランス海外県で

たまに独立の賛否を問う選挙を行っている。

 

英米独との主導権争から一時期NATO軍事機構を脱退した

のもフランスのプライドの高さから来ていたようだ。

 

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