盛岡の老舗書店さんのT会長の訃報が流れた。
享年73歳。今の時代ではまだまだ若すぎる・・・
前職で取引先書店の会の事務局を担当していた時、
その会の重鎮だった亡きT会長さんと少しばかり繋がりがあった。
岩手の書店グループは、外販(店舗ではない外商等の販売)
コンクールで常に上位を占めている強力な販売集団だった。
その先頭に立っていたのが会長だった。
私はその部署に2年弱しかいなかったので、
あまり接点はなかったが、一つだけ印象的な出来事を憶えている。
東日本大震災の翌年、2012年の正月。
当時、取引先の出版社、書店約1300人を集め椿山荘で
毎年1月頭に「新春の会」を開催していた。
計画停電等の記憶が冷めやらぬ時期、「新春の会」の開催有無も
議論されたが、被災した書店を元気づける意味を含め開催となった。
私も会場の接待係として参加した。
挨拶、乾杯等のセレモニーが始まるまでの間、会場には落ち着いた
クラシックの音楽が流れる・・・例年は。
この年、会場に流れたのは「花は咲く」だった。
冒頭の挨拶で社長が述べた
「今年、この会を開催するにあたりT会長から、是非この「花は咲く」を
流してくれと申し入れがありました。この曲は東日本大震災復興支援ソングです。
T会長含め被災地の方々への復興支援への願いと、この天災を忘れずに
後世に伝える為にもこの曲「花は咲く」を胸に刻んでください。」
それ以来、私はこの曲が流れると涙が溢れる。
特にNHKの作ったPV(様々な東北出身者が順に歌う)に
すごく心を揺さぶられる。
被災した方の無念さと、そこから立ち上がろうとする
ひたむきな姿に、心が震え涙が溢れる。(以下の添付から)
T会長の訃報を聞き、「花は咲く」を真っ先に思いだした。
美しいメロディーと悲しくも前向きな歌詞。
YouTubeで聞き返して涙が溢れた。
合掌。