Makotsu Garage

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「決戦!鳥羽伏見の戦い 日本の未来を決めた7日間」

昨日NHK-BSプレミアムで放送された

明治維新150年スペシャ

「決戦!鳥羽伏見の戦い 日本の未来を決めた7日間」

の内容がすごぶる良かった!


戊辰戦争関連書を読破している小生も唸った・・・。
 


この番組のすごいところは、

鳥羽伏見の戦いイコール

会津、桑名、新選組の旧来の刀・槍と

 薩長の新式銃・砲の差が勝敗を分けた」

 というステレオタイプを踏襲せずに

 戦いの真実を忠実に描いているところ。


番組の主役は、行軍の先頭に立つ

大目付「滝川播磨守具挙」と

幕府陸軍の精鋭部隊「伝習隊」。

それに加え、幕府陸軍の慢心・準備不足、

指揮系統の混乱、淀藩裏切り、慶喜の逃走と

開陽丸のサボタージュなどなど

7日間の目まぐるしい戦況が生々しく描かれる。


薩摩藩の勝利がいかに紙一重だったか・・・

その際どさを痛感する。


映像としてもかなり忠実に幕府軍を再現している。

特に伝習隊と大坂城内執務室、半田健人演じる

徳川慶喜は一見に値する。


歩兵奉行並佐久間近江守や

開陽丸副艦長沢太郎左衛門まで登場させ、

薩長装備のミニェー銃と伝習隊装備の

シャスポー銃の射撃速度を比較するあたりは

かなりマニアック・・・



会津藩の一部隊が伏見の土佐藩陣地の脇を

通り抜け、竹田街道を京に進出しながら

指揮官の判断で引き返していた事実には驚いた。

まさに歴史上のIF・・・



鳥羽伏見の戦いに関しては

これ以上ない出来の良い番組だと思う。

エンディングのテロップを見たら

やはり野口武彦さんが絡んでいた。


野口さんの著書は大好きなので

かなり読みこんでいる。


鳥羽伏見の戦い―幕府の命運を決した四日間 (中公新書)

鳥羽伏見の戦い―幕府の命運を決した四日間 (中公新書)