またまたエライものを見せられてしまった。
神田伯山は本当に只者ではない、いやいったい何者なんだ?
この先どこまで高みに上りつめるのか・・・
六代目神田伯山と同時代に生き、生で見られる幸せよ。
席は3列目47番。非常にいい席だ。
「前半はほんのりと2席。仲入り後はちょっと趣向を変えて
いつもとは違う形で3席や老化と思います。」と
まくらで伯山先生が語った。
いったい何がはじまるのだろう?
客イジリはお手の物。会場の爆笑を誘いつつ。
一瞬で「ぐあああっ」と客の心を鷲掴みにする。
いや毟り取られるといった方が的確かもしれない。
一席目の「大名花屋」は美談です。と前置きがあった。
いい話だった。聞いていて涙が溢れた。
つい何日か前の東京ポッド許可局で「美談に騙されるな」という論を
聞いたばかりだったが、やはり美談はいい!
二席目の「浜野矩随(はまののりゆき)」では
この演目を二代目林家三平に捧げると笑いを誘う。
伯山先生は、落語とは違う講談のダイナミズムを全身で訴える。
一人でも講談ファンを増やそうという気概が伝わる。
伯山先生はそんじょそこらの演者とは覚悟が違うのだ。
仲入り後は、1月に4日間連続で完全通し公演を行った
「寛永宮本武蔵伝」全17話のうちラストの3話を続けて演じるという。
これはラッキーだ。
・15話「山田真龍」
・16話「下関の船宿」
・17話「灘島の決闘」
佐々木小次郎との巌流島対決という一番おいしい場面が聞けたのだ。
聞き終わって出る感想は「凄かった」「やはり伯山凄かった」
「凄い」という言葉しか思い浮かばない。
伯山にハズレは全くない。
それどころか常にこちらの想像を上回るモノを見せてくれる。
チケットが取れないわけだよな~。
伝説の無観客試合「巌流島毛決戦!※wikipedia」が観たくなる。