今週も「鎌倉殿の13人」が面白い。
こいつはかなりヤバイ。でも物語としては面白くなってきた。
今週回でネットがざわついたのは、源氏4兄弟揃い踏みのシーン。
打倒平家で旗揚げした頼朝の元に、異母弟たちが集まる。
今までの源平合戦のドラマや映画で、これだけの兄弟が一同に
集うシーンは皆無だった(むろん歴史上も・・)
三谷幸喜はあえて全員が揃うシーンを織り込んだ。
それも兄弟が和気あいあいと昔話を歓談するシーンを・・・
右から義経(九男)、範頼(六男)、全成(七男)、北条義時、頼朝(三男)。
この源(ミナモト)兄弟揃い踏みをネットでは
「まるでウルトラ兄弟揃い踏みだ ※」とざわついた。
確かにこのレアぶりはウルトラ兄弟に通じるものがあり、
うまい例えを考えたものだ。
ちなみにウルトラ兄弟は
ゾフィー、ウルトラマン、セブン、帰ってきたウルトラマン、
エース、タロウ、レオ、アストラ、80,メビウス、ヒカリ
※ウルトラ6兄弟集結
ウルトラマンタロウ第33話「ウルトラの国 大爆発5秒前!」
1973年11月16日放送。
一見和気あいあいに見える兄弟の再開だが、一人一人の思惑が複雑に
絡み合う。まして頼朝は誰も信用していない。(義時を除けば)
兄弟が揃うシーンの裏に、この後に待ち受ける運命が醸し出されている。
同じ鎌倉にはせ参じたのに、義円だけはこの場にいない。
次週の予告編では、その義円が一人で頼朝に再開するシーンが
キナ臭く描かれていた。義円・・・非常に意味深である。
この辺の描き方が三谷幸喜の真骨頂だ。
ちなみに歴史を先読みすると源(ミナモト)の兄弟たちは、
義円の除き数奇な運命を辿る。
・頼朝(義朝の三男)
・範頼( 〃 六男:異母弟)平家討伐軍の総大将、失脚、自刃
・全成( 〃 七男:異母弟)二代頼家への謀反の疑いで謀殺
・義円( 〃 八男:異母弟)平家との戦いで討死
・義経( 〃 九男:異母弟)平家討伐に活躍、頼朝と対立、平泉で自刃
「室町時代は今日もハードボイルド。日本中世のアナーキーな世界」
という書籍が少し前に話題になったが、「鎌倉殿の13人」を見ると、
鎌倉時代前史もなんのなんの、相当アナーキーでなんでもありの世界だったようだ。
現代日本人が当たり前だと思っている道徳規範が確立したのは、
太平の世が長く続き、武士が軍人から教養階級に変貌した江戸時代からだ。