6月24日にくも膜下出血で急逝した
大学時代の先輩ヒロミさん(男性)のことを書きます。
「Desperado」(ならず者)/ イーグルス 1973
「Without You」/ ニルソン 1971
ヒロミさんは3年の時に演出した芝居「三つの宝」で
この2曲をオープンニングとエンディングに使ったそうだ。
(私が入学する前なので「三つの宝」は見ていない)
入学して早々、この曲を選曲するセンスの良さに舌を巻いた。
なんといういいセンスをしているのか・・・
デスペラードのピアノのイントロから始まる
スローなバラードに合わせて、モノローグが始まる・・・
こんなに見事なオープニングは無い。
そして、「ザ・エンディング」「エンディングの王道」とも言うべき
「Without You」でクライマックスを観せる・・・
この後、80年代小劇場の劇団の多くが、このパターンを踏襲した。
芝居好きの一年生(キンタとマコツ)は、ヒロミさんの演劇センスに
一目置いた。そして少しでも芝居の話を聞こうと、ヒロミさんに付きまとった。
「柄本明のヤスは凄かったぞ」(劇団つかこうへい事務所:蒲田行進曲)
「黒沢明の映画は全部観とけよ。前期の方な」
ヒロミさんの演劇論に我々は目を輝かせ、すべてを吸収してやろうと
聞き込んだ。そういう意味では芝居の先生の一人であった。
私が2年生の時、役者をやっていて頬がコケるほど窶れ苦戦した時
ヒロミさんは「役者らしい顔になってきたな~」と言ってくれた。
何だかようやく認められたようで凄く嬉しかった。
柄本明のヤスは観れませんでしたが、
劇団つかこうへい事務所の最後の公演「蒲田行進曲」は
観ることができました。 人生が変わりました。
今の自分があるのは「蒲田行進曲」からだと言っても
過言ではありません。
「青い瞳のステラ、1962年夏・・・」
背筋に電気が走りました。何度も何度も