国谷キャスターが、スティーブン・スピルバーグ監督に単独インタビューを行った。
「 永遠の映画少年 スピルバーグ 〜創造の秘密を探る〜 」
久しぶりに、素晴らしいインタビューを聞いた。
おそらく何万回ものインタビューを受けてきたであろうスピルバーグ監督が、
放送の中で一度だけ 「いい質問ですね」 と言った。
それは衰えない好奇心・創造の源泉についてだった。
国谷 : 映画の持つ力つまり映画が人に与える影響力に気が付いたのは一体、いつごろでしたか?監督 : いい質問ですね。 実は、初めて映画を作ったときなんです。
国谷 : 最初の映画ですか?
監督 : 最初に映画を作ったのはボーイスカウトで賞をもらうためでした。
そのときの賞のテーマは写真で物語を表現しなさいというものだったのですが・・・ (中略)
自作のサイレント映画をボーイスカウトの仲間たちに上映会を開いて見せたんです。
そしたら、私の映画を見てみんな大笑いしたり手をたたいたりして大いに盛り上がったんですよ。
そのときに初めて うわっ!もっと映画を作りたい。
もっとみんなのリアクションが見たい。
映画って、こんなにも人に影響を与えるものなんだ!と思ったのです。
国谷 : 65歳のあなたにとって映画は、どんな意味を持っていますか?あなたにとって映画とはなんですか?
監督 : 映画とは心臓に血液を送り続けるものです。私が生きていくためのものですよ。
「未知との遭遇」のシーンで少年が扉に向かって歩いてドアを開けると、
その向こうにはものすごい光があります。
これは今の私の姿でもあるんです。
私は日々、映画を製作しながらこうして未知の世界への扉を開いているのです。
向こうには何があるのか分かりません。
でも、その扉を開けなければ私は生きていけないでしょう。
初めて映画を作った12歳のときと同じですよ。
私は65歳になった今でもそのときと同じようなワクワクした気持ちで毎朝、目を覚ましているんです。