史上最大の決断（ノルマンディ上陸作戦）

人類の歴史上、最大のプロジェクトは何だろう

エジプトのピラミッド建設？、万里の長城建設？　アポロ計画？

いやいや”建設的”なものばかりではない。

破壊と殺戮の象徴たる戦争もその勝利のためには、

多数の協働と知恵の結集を必須とする

壮大なプロジェクトに他ならない。

史上最大の決断---「ノルマンディー上陸作戦」を成功に導いた賢慮のリーダーシップ

本書は、史上最大の作戦「ノルマンディ上陸作戦＝Dデイ」を

成功に導いた賢慮のリーダーシップを記す。

主な登場人物は、イギリス首相ウィンストン・チャーチルと

欧州戦域最高司令官ドワイド・D・アイゼンハワー。

ノルマンディ上陸作戦は、将兵の数、武器の物量が史上最大であり、

国籍を異にした多数の政治家が、作戦の計画から決行に至る戦略に

深く関与した。戦略には下記の３つに分かれる。

　・大戦略（grand strategy）「国家の資源をどう使うか」

　・軍事戦略（military strategy）「いまある武力でどう戦うか」

　・作戦戦略（operational strategy）「いつ、どんな戦いを行うか」

　その下あるのが、個別具体にどう戦うかを決める戦術（tactics）。

発行元はダイヤモンド社。ビジネス書にあたる。

歴史（戦史）は結果が明確になので、プロセスの理解が進む。

読みやすい本だ。

ノルマンディ上陸作戦を題材にした有名な映画が、

「The Longest Day」（1962年）

当時、地味で日本人にはなじみの無い原題『一番長い一日』を、

当時FOXの広報を務めていた水野晴郎が

「史上最大の作戦」と意訳したのは有名な話。