幸せにありつけた。(もちろんはチケットは自力で入手)
本当に、本当に貴重な瞬間に立ち会うことができた。
なんとも言えない緊張感が漂ういい高座だった。
観客も落ち着いた笑いで劇場全体が重厚な空気を醸し出す。
志の輔さんの落語は2/6の時よりシャープでキレキレで
「メルシーひな祭り」「八五郎出世」と進むにつれボルテージは
志の輔師匠が神々しくなっていった。(ミューズ降臨か?)
最後に志の輔師匠からの挨拶。
西武劇場(PARCO劇場の前身)の出来た1973年に富山から上京し、
柿落としの半年後に安部公房の芝居(主演:仲代達也)を観ました。
その時ふと思ったんです。”オレはこの劇場に立つな。”と
でも、実際は座っているんですけど(笑)。そして縁あって
芝居のスタッフとPARCOで落語を始めて20年経ちます。
無事にやり切れた安堵感が、志の輔さんの表情に現れていた。
そしてこう言った。
この千穐楽で本当に劇場の柿が落ちます。最後に三本締めを
行いますが、今日は手伝って頂いたスタッフ全員を劇場の中に
入れたいのですがよろしいでしょうか。
むろん 異議なし!。
スタッフ全員が、舞台上や劇場内通影際の通路に並んだ。
おそらく総勢50名以上。そして全員で三本締め。
ものすごい瞬間に立ち会えた
緞帳が下りて終演。客出しのBGMは
観客が出口に向かい歩きはじめた時、緞帳の中から
三本締めの音が聞こえた。スタッフによる三本締めの声だった。
帰る途中の観客も気づき、緞帳に向かい大きな拍手を返した。