Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

ある朝敵、ある演説(鎌倉殿の13人)

「鎌倉殿の13人」も残すところあと二回。

今回は、「承久の乱の勃発」と「北条政子の名演説」。

 

ここへきてドラマが北条ファミリーの物語に回帰して

しまったような気がする。伊豆の片田舎の豪族北条家が

逃亡者頼朝を匿うところから物語は始まった。

そして権謀術数を尽くした幕府内部の権力闘争を勝ち抜き、

後鳥羽上皇(朝廷)という外敵に対して、再度北条ファミリーが

一致団結する・・・そんな図式が見て取れた。

 

しかし、そこは三谷幸喜

北条家の万々歳的な大団円で終るはずがない。

最終回は1時間拡大スペシャル。

承久の乱」「後鳥羽上皇配流」「義時の最期」「泰時の覚醒」

「のえ(菊地凛子)、三浦義村の企み」「アサシン:トウは登場するか」

 

さっと思い浮かぶだけでも、これだけの積み残し(伏線)がある。

これがすべて最終回で回収できるのだろうか・・・?

 

まさか、「一話に収まらなかったので、最終回もう一話プラスします。」

なんて水曜どうでしょうの最終回的なことはないよな。NHKなら(笑)

 

 

 

勝てば官軍、負ければ賊軍

「鎌倉殿の13人」では、後鳥羽上皇軍のことを「官軍」と言っている。

以前のドラマでは「上皇軍」的な呼び方だった記憶がある。

 

全国支配の武家政権を確立させた北条義時(頼朝時代は東日本のみ支配)、

はじめ坂東武者たちは、承久の乱官軍」(後鳥羽上皇軍)をも恐れず

戦い抜き、勝利して天皇を退位させ、上皇流罪にし、新たな天皇を即位させ、

自らが「官軍」となった。

 

その後600年以上続いた武家政権を終演させた徳川慶喜は、

王政復古のクーデター、小御所会議、鳥羽伏見の戦いの過程で、薩長

「官軍」と名乗った瞬間に戦意を喪失し幕府軍を捨てて江戸に逃げ帰った。

 

もちろん時代背景は違えぞ、官軍に対する姿勢=気概が

武家政権の始めと終わりのコントラストに現れていると感じる。

やはり、結局勝った方が「官軍」なのだ。