クルスクという地名がニュースを賑わすようになった。
ウクライナ軍がロシア領内に進攻した場所がクルスクだった。
クルスクという場所は第二次世界大戦の戦史に詳しい者なら多くの者が
知っているだろう。
1943年、クルスクを巡りナチスドイツとソ連の間で史上最大の戦車戦が行われた。
ドイツ軍(兵力 90万、戦車3,000両)、ソ連軍(兵力250万、戦車7,000両)。
先に仕掛けたドイツ軍の攻勢は1週間で中止され、以降は守勢に回った。
クルスクの戦いは、独ソ戦でドイツ軍が攻勢に出た最後の大規模な戦闘となり
以後の主導権は完全にソ連軍が握った。
太平洋戦争に例えると、絶対国防圏(グアム、サイパン)を死守するために
再建中の機動部隊全力(空母9隻)を投入して戦った マリアナ沖海戦(1944)に
近い位置づけだろうか。
ロシア領に侵攻したウクライナ軍には
特にドイツから供与された歩兵戦闘車マルダーは、かってドイツ軍で使用され
倉庫で眠っていたものを改修して提供したものだ。
ネットニュースの見出しは
因縁の地「クルスク」でドイツ製装甲車が猛威を振るう。
歴史上の出来事を踏まえての一部感傷的な記事になっているが・・・
物事はそんなに感傷的な事ではない。
NATO軍の歩兵戦闘車両(マルダー、ブラッドレー)が、ロシア領内に侵入し
戦闘を繰り広げるという冷戦時代にも起こり得なかった事態が、発生している
ということなのだ。 かなりヤバいんじゃないの。
簡単なことではないかもしれないが
人類は歴史を省みて行動なければ・・・