大変な資料が出てきた。
太平洋戦争について、当時の海軍関係者が、昭和55年〜平成3年にかけて、
日米開戦にいたる経緯、敗戦となった要因を事細かに議論した「海軍反省会」だ。
注目すべき点は、参加者が少佐から中将という、当時の中堅幹部だという点だ。
特に海軍軍令部作戦課員という、海軍中枢のエリートまで参加している。
もう一つは、議論の内容が、作戦・人事行政・教育・機関科・組織体質
と多岐にわたる点。
実際に現役幹部として、戦争指導に携わった者が、敗戦について議論することは、
自らの組織(海軍)の恥・間違いを認めることになる為、
この資料は、門外不出とされてきた。
それが、今回、NHKスペシャルでの放送となり、PHPから出版もされた。
- 作者:戸高 一成
- 発売日: 2009/07/31
- メディア: 単行本
昨晩の第一回放送は、「開戦 海軍あって国家なし」
当時の日米の国力、軍事力を比較すれば、対米戦争など勝ち目のないことは、
海軍部内でも明白であった。
しかし、海軍は、皇族伏見宮を軍令部総長に仰ぎ、政治力を発揮して軍備拡張してきた手前、
今更 「対米戦争は無理です。勝ち目はありません」とは決して言えない。
ましてや陸軍に対して、弱腰は見せられない。 そんな中で開戦が決定されていった。
そこには、国家、国民という視点はない。
海軍という組織の存在・生存意義だけがすべてだった。
これってどこかの官僚組織と全く同じ論理ですね・・・。
全く進歩がない・・・。
第二回放送は「特攻 やましき沈黙」 8/10 22:00〜 NHK総合
特攻作戦”はこれまで現場将兵の熱意から始まったと伝えられてきた。
しかし、海軍反省会では『軍令部』が現場の志願より前に、
組織として計画的に特攻兵器を作り続けてきたことを赤裸々に語りだす。
特攻神話の真実とは・・・