先週の週刊 東洋経済 2011年 10/8号 [雑誌] と DIME (ダイム) 2011年 10/18号 [雑誌] に
関連記事が掲載されており、非常に気になったので観に行ってきた。
ストーリー
熱血営業マンとして働き続け67歳で退職したサラリーマンが、第二の人生を歩み始めた矢先にガン宣告を受け、残された家族と自分の人生を総括するために“エンディングノート”を実行していく姿を収めたドキュメンタリー。本作の製作を務める是枝裕和に師事経験がある砂田麻美監督が、最期の日まで前向きに生きようとする父と家族の姿を映像に記録。重いテーマながら、段取り命で会社人生を送った当人らしい幕の引き方が感動を呼ぶ。
近年、歳のせいか人の死に接することが非常に多い。
肉親、親戚、同級生、会社関係・・・。
死というものに向かい合う立ち位置も、ここ数年で大きく変わった。
この映画の主人公の最期は本当に見事だ。
こんなに幸せな死に方はないだろう。
そういう意味で、私は悲しんで泣くと言うよりも、主人公と家族に拍手を送りたい気持ちになった。
唯一涙を流したのは、孫の健気な姿にだった。
観客は誰しもこのような最期を迎えたいと思うのだろう。
昨年父親を亡くした時は、とてもとてもこんな映画のようではなかった。
病状、治療、医者への不審、病状の急変、意識の忘却、痴呆・・・。
それでも、まだ苦しまなかった(?見ている限りは)だけ良かった方だと思い込むしかなかった。
上映が終わっても、泣き崩れて席を立てない大学生風の男女がいた。
「若人よ世の中はこんなに上手くはいかないから、親が元気なうちに親孝行しとけよ!
って言われてもできないけどな・・・」
とフーテンの寅さんばりに声をかけたくなった。
きっと私も父親の生前にこの映画を見ていても、
表面上は何も変えられなかったと思う。
内面は大きく違っただろうけれど。