闘う映画監督”大島渚”が亡くなった。享年80歳。
我々の世代には、”松竹ヌーベルバーグ”の旗手というよりも、
テレビでの”バカヤロー”というキャラのイメージが強い。
もちろん映画も見ている。
「戦場のメリークリスマス」「御法度」「儀式」「青春残酷物語」「新宿泥棒日記」・・・
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何と言っても印象が強かったのは、当時「戦場のメリークリスマス」に出演したビートたけしが
オールナイトニッポンで映画の撮影をあることないことネタにして語っていたこと。
そのエピソードの数々は
・大島監督が撮影に使ったトカゲが演出意図どおりに動かないことに腹を立て
「お前はどこの事務所だ!」と怒鳴りつけた。
・差し入れのうな重をたけしらが食べてしまったことに坂本龍一が腹を立て、
かわりにたけしが手配したうな重を涙を浮かべながら食べていた。
・ビートきよしも俳優として撮影に参加しているが、すべてカットされた。
・カンヌ映画祭受賞作の発表前日に、スポーツ新聞社の記者が「明日の朝刊に間に合わないから、
今、受賞したという前提で喜びの写真を撮らせて欲しい」 とたけしを訪れた。
翌朝、そのスポーツ新聞には、たけしの写真の横に大きな文字で「たけし ぬか喜び」と書いてあった。
・たけしと坂本は、2人で試写のフィルムを見て、たけしが「オレの演技もひどいけど、
坂本の演技もひどいよなぁ」と語りあい、ついには2人でこっそりフィルムを盗んで焼こう
という冗談を言い合ったという
・撮影中、坂本龍一がたけしの部屋を訪ねると、真っ暗な部屋の中のベッドに
天井までとどくかというほど本が積み上げられ、勉強するたけしの姿に出くわすという事実があった。
当時はこれらのエピソードを聞いては小生は大笑いしていた。
『オレたちひょうきん族』のコーナー、『タケちゃんマン』でも、
『戦場のメリーさんの羊』というパロディコントが放映され、カンヌ映画祭で受賞を逃したところまでネタにしていた
この作品で映画デビューした”ビートたけし”は今や世界の巨匠”北野武”監督。
才能を発掘する推眼も抜きんでていた。
合掌。
おまけ。
大島渚監督が結婚30周年パーティーを開いた際、壇上で祝辞を述べる予定だった
作家の野坂昭如の名前を読み上げるのを忘れ、酩酊していた野坂に殴られた。
大島は持っていたマイクで殴り返した(のちに互いに反省文を書き送り合った)。
仲裁に入ってるのは小山明子さん。