「立川小春志」の真打昇進披露興行の二回目。
先日と同様幕が上がると、前回と同じく三人が板付で口上が始まる。
小さな小春志を挟んで談春(下手)と志らく(上手)が並ぶ光景は、
ある種、立川流のレジェンド。
談春曰く「皆さんが思っているほど、仲は悪くないんですよ。
お互い好き勝手言ってますが、むしろ仲はいいんです」
むろん、立川流の歩みを知る者なら、誰も仲が悪いなど思なない。
歩み=立川流の歩みに・・・小春志は完全に取り残されてキョロキョロ
するばかり(笑)。
二人は立川流の戦友なのだ。お互いに認め合った戦友・・・
決してライバルなどという簡単な図式ではない。
またこれからの立川流のキャスティングボードを握る二人なのだ。
談春曰く「師匠談志が落語協会を脱退して散々苦労して今を作ってきた
その想いを見てきた立場としては、簡単に寄席に出るなんて言うのは
簡単に理解できるもんじゃない」
と立川流たる者の矜持を語ったのには驚いた。
これも志らくの前だからこそ語れたのだろう。
※立川ボーイズ(1990年代)
立川流の矜持を受け継ぐ談春の最高傑作(?)が小春志になるのか?
その素質はこの日の落語を聞いてわかるように、十分にあるようだ。
この日の演目は「居残り佐平次」。
この大ネタをぶつけたのか? その理由は定かではないが
新真打としては見事な「居残り」だった。
これでは志らくの弟子十数人が束になっても、小春志一人には
敵わないと言ったとか言わないとか(笑)。
談志と小春志の有名なエピソードがある。
小春(現:小春志)が入門して1年経った頃、談志に挨拶をした時に
「おい小春、聞いたところによるとお前、女なんだって?」
・・・談志は一年間以上、小春志を男だと思っていた(笑)
志らくが新刊を出した。
入門、修行時代の自伝的小説のようだ。
ビートルズも談志も死して、ビジネスを残す。
と言いつつもこの本は読もう。
立川ボーイズ(平成TVヨタロー)