この本が新潮選書から出ていることにまず驚いた。
少し前だと、大手出版社からこの手の本は発行されなかったのではないか・・・
その点では時代が変わってきているのか。
この本でとりあげられている言葉は、いわゆる”放送禁止用語”。
つまり、被差別部落に根ざす隠語、あるいは心身障害、職業、人種にまつわる言葉などで、
その言葉が、どこでどのように使われてきたか、またどのような過程で「消えた言語」となってしまったか、
その歴史的背景をわかりやすく解説している。
「とにかくストレートにドーンと入ってくる衝撃がありました。この本を読むには、
心構えが必要となりますね……」
と語っている。
非常に的確な感想だ。確かにこの本は読んでいくうちに、相当な心構えを要求された。
言論表現、人権に対する配慮、自主規制、言葉狩り・・・
など難しい問題について扱っているが、非常に読みやすい本だった。