Makotsu Garage

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私家版 差別語辞典

この本が新潮選書から出ていることにまず驚いた。

少し前だと、大手出版社からこの手の本は発行されなかったのではないか・・・

その点では時代が変わってきているのか。


私家版 差別語辞典 (新潮選書)  私家版 差別語辞典 (新潮選書)


この本でとりあげられている言葉は、いわゆる”放送禁止用語”。

つまり、被差別部落に根ざす隠語、あるいは心身障害、職業、人種にまつわる言葉などで、
その言葉が、どこでどのように使われてきたか、またどのような過程で「消えた言語」となってしまったか、

その歴史的背景をわかりやすく解説している。


芥川賞作家の西村賢太さんは、この本を読んだ感想を

「とにかくストレートにドーンと入ってくる衝撃がありました。この本を読むには、
心構えが必要となりますね……」

と語っている。

非常に的確な感想だ。確かにこの本は読んでいくうちに、相当な心構えを要求された。


言論表現、人権に対する配慮、自主規制、言葉狩り・・・

など難しい問題について扱っているが、非常に読みやすい本だった。