読みたい記事があったので、久々に「歴史群像」を購入。
「検証 日本海軍航空隊 ~基地部隊と母艦部隊の運用構想と戦い」
巻頭全17頁となかなかのボリューム記事だった。
「ロンドン海軍軍縮条約」で、補助艦艇までも対英米劣勢の
足枷をはめられた帝国海軍。対米作戦構想の基本はあくまで
同等の戦力まで漸減・消耗させ、マリアナ諸島近海で主力艦隊同士の
決戦を挑む・・・・という結構都合のいいシナリオ。
ではどうやってアメリカ艦隊を漸減させるか?
潜水艦、駆逐艦による野戦、空母部隊による空襲・・・
当初の構想はすべてロンドン海軍軍縮条約で、制限が
加えられ実現不可能になった。そこで生まれたのが
「長距離洋上攻撃」という独創的アイデア。
その構想に沿って整備されたのが有名な
開戦時には372機の陸攻が南方作戦に全力投入された。
(ハワイ攻撃に参加した空母部隊は388機)。
当初の航空戦力の基幹は基地航空隊で、空母部隊は
あくまで遊撃部隊だったようだ。
本記事によると
終戦時の海軍航空戦力は、単座戦闘機1,000機強。
含めると2,886機が温存されていた。海軍の水上艦艇は壊滅したが、
内地に維持された基地航空部隊は、ロンドン軍縮会議後に立案された
決戦構想をもとに発展したものだった。
目立つ空母艦載機部隊だが、日本海軍航空隊のベースはあくまでも
基地航空隊にあったようだ。