著者「小島俊一」氏 曰く
なぜ今、街から本屋が消えていっているのだと思われますか?
この問いに対して著者の私が「本屋を殺す犯人を突き止める」訳ではありません。
「出版社に原因がある」「本屋に責任がある」「取次が悪い」「読者の活字離れ」、
それぞれ少しずつ当たっていても一面的です。本屋が消えつつある理由は、
そんなに単純なものではないのでしょう。
著者の小島俊一さんは前職での先輩だった。
在職中はいろいろとお世話になった。退職する時には「松山に遊びに来い」
と声をかけて頂いた。小島さんはビジネスとしての書店にしか興味がないと
言っていた(?)と記憶がある。これってすごぐ大事な側面だと思う。
かく言う私も「ビジネスとしての書店に非常に興味がある」
(もちろん読者としての書店も大好きなのだが)
今回の著作のオビには「本屋再生!識者30人からのメッセージ」とある。
識者30名からのメッセージ・・・・そのメンツがなかなか凄い!
取次(トーハン、日販)除けば、ほぼ業界のオールスターキャスト。
それぞれ一家言ある面々ばかり、30人の意見を並べるだけで1冊になる
可能性もある。 一体どんな本なんだろう? と思っていた。
あっという間に読了した。
非常に上手くまとまっている。30人の意見の重要な部分のみを抽出し、
それに著者自身の解説を加えた30の小プロットに分け、それを大きなテーマの
流れに沿った章立てに並べる。これが非常に理解しやすい構成だった。
元バリバリの業界人だけに内容もなかなか刺激的で面白かった。
小島さんの全身全霊をかけた力作をしかと受け止たさせて頂いた。
唯一言えば、各プロットの頭でイントロ(導入)の役割をしている。
著者と甥の会話。あの会話のやりとりは必要なのかな~
個人的にはああゆう会話形式はあまり好きではないが・・・
そう言えば前著作もこの形式だったな・・・。
福岡県出身。(株)トーハンで営業部長、情報システム部長、執行役員支社長などを経て
2013年に経営不振となった愛媛の老舗書店チェーン明屋書店(全80店舗)への出向を命ぜられ
代表取締役に就任。5期連続赤字だった同書店チェーンの経営改革に着手。企業風土を一変させ
「従業員モチベーションの大幅向上」を成し遂げ、一人もリストラせずに2年半で業績を
V字回復させる。この取組みが評価され、週刊ダイヤモンド誌「地方元気企業ランキング」で
全国中小企業300万社の中から日本一に選出される。
2017年”元気ファクトリー株式会社”を設立し独立。経営再建の経験と知識から生まれた「企業再生のエッセンス」をベースにしたコンサルティングは、業種の枠を越えてクライアントの
業績を上げている。全国各地に呼ばれる講演会では「企業再生のエッセンス」を伝え好評を得ている。